尋常性乾癬治療剤「ドボベット®軟膏」の製造販売承認を取得
~カルシポトリオール水和物とベタメタゾンジプロピオン酸エステルの配合外用剤~
レオ ファーマ株式会社(本社: 東京都千代田区、代表取締役社長:櫻井ステファン、以下「レオ ファーマ」)は本日、尋常性乾癬治療剤「ドボベット®軟膏」の製造販売承認を取得しました。本剤は、活性型ビタミンD3であるカルシポトリオール水和物と副腎皮質ホルモン(以下「ステロイド」)であるベタメタゾンジプロピオン酸エステルの配合外用剤であり、昨年8月、厚生労働省に承認申請を行っていたものです。なお、本剤の発売時期につきましては、薬価収載後にあらためてお知らせいたします。
乾癬は慢性かつ難治性の皮膚疾患で、日本における有病率は1,000人中1~2人との報告があります。乾癬の治療法には活性型ビタミンD3やステロイドなどの外用療法、光線療法、内服療法があり、また、近年では生物学的製剤による治療法が重症例に提供されるようになりました。しかしながら、患者さんの大半を占める軽症から中等症に対しては活性型ビタミンD3やステロイドなどの外用剤による治療が主として行われており、単剤のみならず、両剤併用、混合調製がされています。乾癬治療に用いられる外用剤には、より高い有用性ならびに投与の簡便性が求められていました。
「ドボベット®軟膏」は1日1回の塗布で乾癬の皮膚症状を速やかに改善する本邦初の活性型ビタミンD3とステロイドの配合外用剤です。本剤は、国内臨床試験において有効性と安全性が確認されており、この度、尋常性乾癬を効能・効果として承認を取得いたしました。尋常性乾癬治療に用いられる既存の外用剤に対して、高い有用性ならびに投与の簡便性を提供できることから、尋常性乾癬の患者さんに対して満足度の高い新たな治療の選択肢を提供できるものと考えております。
本剤は、レオ ファーマの親会社であるLEO Pharma A/S(本社:デンマーク・バレラップ、社長兼最高経営責任者:ギッテ・P・アーボ、以下「LEO Pharma」)が開発し、2001年に尋常性乾癬に対する外用剤としてデンマークで上市されて以来、米国を含め世界97ヶ国で承認され、尋常性乾癬治療の第一選択薬のひとつとして世界的に汎用されています。
本剤は、国内においてはレオ ファーマが自社で開発を手がけ、発売する初めての製品となります。レオ ファーマは、2013年12月19日付けでLEO Pharma、協和発酵キリン株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:花井陳雄、以下「協和発酵キリン」)と本剤の販売およびマーケティング提携に関する契約を締結いたしました。レオ ファーマは協和発酵キリンに製品を供給し、協和発酵キリンは本剤の販売およびMRによる医療機関への情報提供活動を担当し、両社が共同してマーケティング活動を行います。
レオ ファーマは皮膚科領域のケアパートナーである世界のレオ ファーマ グループの一員として、本剤を含め、同領域の治療薬パイプラインを強化し、尋常性乾癬に苦しむ患者さんのQOL向上に貢献していきたいと考えております。
「ドボベット®軟膏」の製品概要
製品名 | ドボベット®軟膏 |
一般名 | カルシポトリオール水和物 / ベタメタゾンジプロピオン酸エステル |
組成 | 1g中、カルシポトリオール水和物52.2μg(カルシポトリオールとして50.0μg)、ベタメタゾンジプロピオン酸エステル0.643mgを含有 |
効能・効果 | 尋常性乾癬 |
用法・用量 | 通常、1日1回、患部に適量塗布する。 |
用法・用量に関連する使用上の注意 | 1 週間に90g を超える使用は行わないこと。 |
包装 | チューブ 15g×1、15g×10、30g×1 |
承認取得日 | 2014年7月4日 |
販売 | 協和発酵キリン株式会社 |
製造販売 | レオ ファーマ株式会社 |
乾癬について
乾癬は、炎症を伴う慢性の皮膚疾患(角化症)で、原因は完全には分かっていませんが、遺伝的素因(体質)に様々な環境因子(ストレス、肥満等)が加わり免疫系に異常が生じ、皮膚に炎症が起きていると考えられております。日本においては推計で約10万人から20万人の患者さんが存在します。皮膚の表皮細胞が異常に分裂・増殖を繰り返し、境界が明瞭な紅班ができ、次第に盛り上がり、その表面に銀白色の雲母状の皮膚片(鱗屑)を伴い、その一部がポロポロとはがれ落ちるという症状を呈し、痒みを伴うこともあります。細菌やウイルスによる病気ではないためまわりの人にうつる(感染する)病気ではありません。
症状の違いにより、数種類の病型に分類されますが、乾癬の9割を占めるのが尋常性乾癬で、頭部、肘、膝など、慢性の機械的な刺激を受けやすい部位に皮疹ができることが多く、全身に広がることもあります。皮疹がいったん消えても再発を繰り返し、長期間の治療を要する完治が難しい疾患であります。
LEO Pharma
レオ ファーマは研究開発志向型の製薬会社です。
1908 年創業のレオ ファーマは、研究主導の製薬会社です。皮膚疾患の治療薬を開発・製造し、世界130カ国以上で販売しています。
私たちは、「世界中の人々の生活改善に貢献する皮膚科領域のケアパートナーになる」ことを目指した事業活動を行っています。このビジョンの実現のため、私たちは新たな地域や市場への進出に努め、いまだ満たされていない医学的ニーズに応える競争力のある医薬品と治療法を、さらに多くの患者さんや社会へとお届けします。
本社はデンマークにあり、レオ財団が所有しているため、安定的な経営を可能にしています。