LEO Pharma、第31回欧州皮膚科性病科学会議(EADV)において、 中等症~重症のアトピー性皮膚炎に対するAdtralza®の新たな安全性データを発表
報道関係各位
本資料は、LEO Pharma A/Sが2022年9月8日(デンマーク、バレラップ発)に発表したプレスリリースの日本語訳で、参考資料として提供されるものです。資料の内容および解釈については英語版が優先されます。英語版はwww.leo-pharma.comでご覧いただけます。
英文タイトル:
LEO Pharma presents new Adtralza® safety data in moderate-to-severe atopic dermatitis at the 31st EADV Congress
LEO Pharma、第31回欧州皮膚科性病科学会議(EADV)において、中等症~重症のアトピー性皮膚炎に対するAdtralza®の新たな安全性データを発表
- 5年間の(非盲検)長期投与試験であるECZTEND試験の中間安全性解析において、中等症~重症のアトピー性皮膚炎成人患者さんに対し、最長3.5年間にわたってAdtralza®(トラロキヌマブ)を投与した結果、一貫した安全性が認められました1。
- 結膜炎、ヘルペス性状湿疹および全身療法を必要とする皮膚感染を含む、特に注目すべき有害事象の発現率は、第16週までのプラセボ対照投与期間中に報告された発現率より、概ね低い値でした1。
デンマーク、バレラップ発:2022年9月8日、皮膚科医療の世界的リーダーである LEO Pharma A/Sは、本日、中等症~重症のアトピー性皮膚炎成人患者さんにおけるAdtralza®の新たな安全性データを発表しました。中間結果は、第31回欧州皮膚科性病科学(EADV)会議で、口頭発表として報告されました1。
現在進行中の(非盲検)長期投与試験であるECZTEND試験の中間解析では、中等症~重症のアトピー性皮膚炎成人患者さんの、特に注目すべき有害事象(AESI)を含むAdtralza®の長期安全性を評価しました1。注目すべき有害事象とは、アトピー性皮膚炎におけるモノクローナル抗体投与時の安全性において、事前に定義された注目すべき領域として、結膜炎、ヘルペス性状湿疹、全身治療を必要とする皮膚感染、投与後に診断された悪性疾患が含まれます1。ステロイド外用剤(TCS)と任意に併用した、Adtralza®300mgの隔週(Q2W)投与を長期間おこなった結果、最長3.5年間までの一貫した安全性が示され、曝露量で補正したAESI発現率は第16週までのプラセボ対照投与期間と比べて概ね低い値でした1。
LEO Pharma A/S Global Research and Development の Executive Vice PresidentであるJörg Möllerは、次のように述べています。
「この度、中等症~重症のアトピー性皮膚炎成人患者さんを対象としたIL-13の阻害をターゲットとした最新の結果について、2022年米国皮膚科学会(AAD)年次総会で発表された長期安全性データに基づき、新たに得られた知見を共有できることを嬉しく思います。当社は、アトピー性皮膚炎の徴候および症状を軽減する長期にわたる治療選択肢を見いだすため、患者さんと臨床医の探究をサポートすることに尽力しております。今回の最新知見が、Adtralza®の治療決定の支援に役立つことを願っています。」
中間安全性解析データには、2021年4月30日時点で、ECZTRA 1、2、3、4、5および7の各先行試験からECZTEND試験に移行し、1回以上、Adtralza®の投与を受けた1,442例の患者さんの結果が含まれています1。
上記の患者さんを最長3.5年間追跡調査されており(先行試験では1年以下、ECZTEND試験で2.5年以下)、治療反応性および先行試験でAdtralza®またはプラセボのいずれかで治療されたかによらず、すべての患者さんはECZTEND試験に組み込まれました1,2。
ECZTEND試験の中間解析における安全性プロファイルは、最長3.5年間のAdtralza®投与期間(平均曝露期間:121.0週間、総曝露期間:2,446.2患者年 [PYE] )を通して、一貫していました1。
- 全体の有害事象発現頻度は、198.7件[nE]/100 PYEで、その大部分は軽度(132.6 nE/100 PYE)でした。ほとんどの重篤な有害事象(4.9 nE/100 PYE)は、発現した事象を種類別に集約する必要はなく、単一事象として報告されました。
- 結膜炎(3.8 nE/100 PYE)、ウイルス性上気道感染(18.2 nE/100 PYE、主に感冒として報告)、アトピー性皮膚炎(17.9 nE/100 PYE)、上気道感染(5.8 nE/100 PYE)、頭痛(4.4 nE/100 PYE)などが、最も多く報告された試験治療下で発現した有害事象(AE:患者の5.0%以上)であり、先行試験と同様でした。
曝露量で調整後のAESI発現率は、第16週までのプラセボ対照投与期間中に報告された発現率と同程度またはそれ以下でした1。結膜炎の有害事象は重度ではなく、また投与中止例は5例のみでした1。
ECZTEND 試験-長期投与試験(LTE)について
ECZTEND試験(過去のトラロキヌマブ試験に参加したアトピー性皮膚炎患者における長期投与試験)は、5年間にわたる進行中の第3相長期、非盲検、単群、延長試験です。その目的は、これまでに行われた Adtralza®単剤投与試験(ECZTRA 1およびECZTRA 2)、Adtralza®と TCS の併用投与試験(ECZTRA 3)、薬物相互作用(DDI)試験(ECZTRA 4)、ワクチン試験(ECZTRA 5)、青少年を対象とした試験(ECZTRA 6)、経口シクロスポリン A 試験(ECZTRA 7)、日本人患者を対象とした Adtralza®と TCS の併用投与試験(ECZTRA 8)、または Adtralza®単剤投与による皮膚バリア機能試験 (TraSki)に参加したアトピー性皮膚炎患者を対象に、Adtralza®(トラロキヌマブ)の安全性および有効性を評価することを目的としています。治療に対する反応の有無や、トラロキヌマブまたはプラセボのいずれかを投与されたかによらず、先行試験を終了すれば、ECZTEND 試験に参加できます1,3。
アトピー性皮膚炎について
アトピー性皮膚炎は、慢性の炎症性皮膚疾患であり、強いかゆみと湿疹様病変を特徴とします4。アトピー性皮膚炎は、皮膚バリアの障害と免疫調節異常に起因し、慢性炎症に至ります5。IL-13 を含む2型サイトカインは、アトピー性皮膚炎の病態生理の重要な側面において中心的な役割を担います6。
Adtralza®(トラロキヌマブ)について
Adtralza®(トラロキヌマブ)は、アトピー性皮膚炎の徴候・症状の根底にある免疫炎症プロセスに、重要な役割を果たす IL-13サイトカインに結合し阻害することを目的として開発された、高親和性のヒトモノクローナル抗体です。Adtralza®は、IL-13サイトカインに特異的に結合することにより、IL-13 受容体の α1および α2サブユニット(IL-13 Rα1および IL-13 Rα2)との相互作用を阻害します6,7。
Adtralza®は、中等症~重症のアトピー性皮膚炎の成人患者を対象として、欧州連合、英国、カナダ、アラブ首長国連邦およびスイスで承認されています8。また米国では商品名Adbry™(トラロキヌマブ-ldrm)として承認されています。
LEO Pharmaについて
レオ ファーマは皮膚疾患の患者さんやそのご家族、そして社会のために、標準治療の発展に貢献することを目的としているグローバル企業です。
1908年に創立されたレオ ファーマは、大部分の株式をレオ財団が所有し、長年にわたり皮膚科学の発展のため、研究開発に専念してきました。レオ ファーマは今日、皮膚疾患に対する様々な治療法を提供しています。本社はデンマークにあり、グローバルで5,800人の従業員が、130 カ国の何百万人にものぼる患者さんのために従事しています。
References
- Reich K, et al. Tralokinumab demonstrated a consistent safety profile with up to 42 months of treatment in moderate-to-severe atopic dermatitis: including adverse events of special interest. Presented at 31st EADV Congress, Milan, Italy, September 7-10, 2022. Oral Presentation #FC03.
- Blauvelt A, et al. Long-term safety and efficacy of tralokinumab in more than 1400 moderate-to-severe atopic dermatitis patients treated for up to 42 months: an interim analysis of ECZTEND. Presented at American Academy of Dermatology (AAD) 2022 Annual Meeting, Boston, Mass., March 25-29, 2022.
- Blauvelt A, et al. Long-term 2-Year Safety and Efficacy of Tralokinumab in Adults with Moderate-to-severe Atopic Dermatitis: Interim Analysis of the ECZTEND Open-label Extension Trial.Journal of the American Academy of Dermatology. 2022.
- Weidinger S, et al. Atopic dermatitis. Lancet. 2016;387:1109-1122.
- Boguniewicz M, et al. Atopic dermatitis: a disease of altered skin barrier and immune dysregulation. Immunol Rev 2011;242(1):233-46.
- Bieber T. Interleukin-13: targeting an underestimated cytokine in atopic dermatitis. Allergy. 2020; 75:54-62.
- Popovic B, et al. Structural characterisation reveals mechanism of IL-13-neutralising monoclonal antibody tralokinumab as inhibition of binding to IL-13Rα1 and IL-13Rα2. J Mol Biol. 2017; 429:208–19.
- Adtralza® (tralokinumab) EU Product Information. LEO Pharma; June 2021.
LEO Pharma
LEO Pharma helps people achieve healthy skin. The company is a leader in medical dermatology with a robust R&D pipeline, a wide range of therapies and a pioneering spirit.
Founded in 1908 and owned by the LEO Foundation, LEO Pharma has devoted decades of research and development to advance the science of dermatology, setting new standards of care for people with skin conditions. LEO Pharma is headquartered in Denmark with a global team of 6,000 people, serving 92 million patients in 130 countries. In 2019, the company generated net sales of DKK 10,805 million.