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皮膚の基礎知識(1)皮膚とは / 皮膚の構造

皮膚とは

人体最大の器官をご存じでしょうか?
実は皮膚なのです。
人間の皮膚の面積は大人で約1.6m²とされています 1)。
これは畳1枚分とほぼ同じ大きさです。

皮膚にはさまざまな機能があります 1,2)。

  • 細菌、真菌(カビ)、ウイルス、紫外線などから身体を守るバリア機能
  • 日光に当たることで、身体に必要なビタミンDなどをつくる機能
  • 汗などを出す分泌機能
  • 熱い、冷たいなどを感じる知覚機能
  • 体温調節機能 など

これらに加えて、
皮膚には人間最大の免疫器官としての役割があります(免疫機能)2)。
体外から侵入した細菌等の外敵に対して、免疫細胞が働いて攻撃したり排除したりします。

このように、皮膚は見えないところで人体を守るための役割を担っています。
さまざまな情報を与えてくれる皮膚は“全身の鑑<かがみ>”といわれ 2)、身体の状態を表しているともいわれています。


【参考文献】
1) 清水宏:新しい皮膚科学 第3版, 2018, p.1, 中山書店, 東京
2) 椛島健治:医学のあゆみ 2012, 242(10), 771-773


皮膚の構造

人の皮膚は表皮と真皮に分けられます。

【表皮】
場所によって異なりますが、体の表面から平均約0.2mmまでは表皮と呼ばれ 1)、主に角質層(角層)をはじめとした4層で構成されています 2)。
表皮にある主な細胞は一定周期(約1カ月)で入れ替わっていきます(ターンオーバー) 3) 。
そして、細胞は最終的に「垢」となって身体から剥がれ落ちていきます 3) 。

【真皮 2)】
表皮と皮下組織(脂肪など)に挟まれた組織です。
血管、神経、汗腺などが存在します。

  • 血管:栄養を運ぶ、体温を調節する
  • 神経:痛い、熱い、冷たいなどを知覚する
  • 汗腺:汗を分泌して水分・体温を調節する

そのほか、免疫の役割を果たす細胞や、細胞の周りにあって皮膚の弾力や水分を保つ間質とよばれる成分があります。
このように、皮膚は身体を守るためのさまざまな構造を持っています。


【参考文献】
1) 瀧川雅浩監修:Simple Step皮膚科, 2016, p.3, 海馬書房, 神奈川
2) 病気がみえる vol.14 皮膚科, 2020, pp.2, 7, メディックメディア, 東京
3) 瀧川雅浩ほか編:皮膚科エキスパートナーシング 改訂第2版, 2018, p.4, 南江堂, 東京

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